映画の感想などなど

自分が観た映画の思ったまんまの感想。

アベンジャーズ/エンドゲーム

アベンジャーズ/エンドゲーム』

公開:2019年

主演:ロバート・ダウニー・jr

        クリス・エヴァンス

監督:アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ

制作:アメリカ合衆国

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どうやら全世界の映画興行収入でまた記録が更新されそうである。MCU第22作目、一応の完結編で話題性充分。キャストもほぼ総出演、バジェット的にも今のハリウッドで最大規模の超大作。期待度的にみても今年最大の話題作になるのは間違いない。ので、流石に映画館で観てきた。

 

で、流石にこの映画に関してはネタバレは良くないので、全体的な感想がメインかな?

 

《エンドゲーム》

まずこの映画、タイトル通り最大の目的は『20作を超える巨大シリーズを一度終わらせること』である。

理由は...

①ヒーローの数が増え過ぎて物語として収拾がつかなくなりそうなこと。

②初期から出演してた俳優の出演契約が満了すること。

③単独映画としてはもうすでに完結していて掘り下げるのが難しくなってきたヒーローも複数いること。

 

ざっと挙げてもこれくらい理由が出てくる。そもそもこのユニバース化自体、映画の手法としては大掛かり過ぎてどこかでリセットかけないと絶対ムリが来るからね。

③については、スパロボで原作再現しなくてもとりあえず参戦してるアムロ・レイを想像すれば何となくイメージ湧くだろうか。

ゲームならそれでも何とかやれるけど、映画ではそうもいかない。②で現実的に出演が最後になる俳優はわかってたことだけど、ロバート・ダウニー・jr始め最初にこのユニバースに登場した俳優たちがどうやってMCUから去るのかが最大の焦点になる。

 

《この映画の主役》

大勢のキャストが入り混じった群像劇で、基本全ヒーローが主役なんだけど、物語としてはメインの主役級は何人か挙げられる。

アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルク、ソー、ホークアイ、ブラック・ウィドウ。この辺りかな。

ずっと観てた人はわかると思うけど、最初にヒーローが集結した「アベンジャーズ」(2012)に登場したこの6人。この6人が前作『インフィニティ・ウォー』の衝撃的なラストで生き残ってた時点で「あぁ、次回作はこのキャラ達の決着をつけさせる映画になるんだな」というのがすぐに予想ついた。

特にアイアンマンとキャップはずっとシリーズの中心に居たからどう彼らの物語に決着つけるのかはかなり楽しみにしてた。

 

《物語の内容》

ネタバレなしにすると文章にするのがなかなか難しい。

前作のラスト...

人類最大級の敵「サノス」との戦い。6つの特別な力を持つインフィニティ・ストーンを全て手に入れたサノスによって全宇宙の生命の半分が消滅し、アベンジャーズは敗北した。

生き残った人々はどう立ち上がるのか。

 

てな感じ。

 

ただ、予告編を観て、社長が地球に帰還する道のりとか、サノスへのリベンジが物語のメインになると思ってた人は開始15分くらいであっけにとられると思う。

わりと予告編の内容はあっさり終わってすぐに次の流れへ...なんといっても中身が盛りだくさんすぎて、3時間の上映時間でも相当駆け足じゃないと消化できん。

 

《マーベルの余裕》

この映画、終わらせるための映画だからその気になれば100%シリアスモードでいくことも可能だったはず。けど、蓋を開けてみるとギャグシーンの多いこと多いこと。観に来てたちびっ子たちのケタケタ笑い声も聞こえてくるくらい。人によっちゃそれがイヤに感じるかも...ホントにゲップが出るくらいアメリカンなジョークやギャグシーンが多い。

物語的にはかなり暗い話なんだけど、あくまで娯楽映画だってのは変わらなかった。

そこは、マーベルの「俺たちゃダークナイトとは違う形でいくもんね〜」っていう余裕を感じる。ディズニー傘下に入って事実今の映画シーン支配してるからねぇ。

 

《この映画のちと気になったところ》

めちゃくちゃ面白かったのは間違いないんだけど、難点もあった。

まず、もうこれは上映前からわかってたことだけど、ヒーロー一人一人の描写がこれまでに比べてめっちゃ薄味になってしまったこと。

もうヒーローヒロイン合わせて30人くらいのメンバーが集結するわけだから仕方ないことやけど。さっき挙げた6人に焦点絞った分、前作で消滅したメンバーの描写はホントにあっさり目。カンバーバッチ様の出番少なすぎ!って女性ファン文句言うんじゃねーかな?

 

もう一つ。やっぱり3時間は長い...。もうずっと尿意との戦いだった...これも完結編としてはどーにもならんことだったと思う。それでも展開駆け足だったってことはどんだけ内容盛り込んでんだって感じ。前作と合わせて三部構成でもよかったくらいにたっぷりの内容だった。

ただ、これは問題点にはあんまりならないかな。変な矛盾点とかもなく、全て納得いく形で終わらせたし。←これって実際とてつもなく難しい。脚本的に過去の作品との繋がりも強いし、見せ場も各キャラに作らないかんし...よくこの形に収められたなと正直脱帽。

 

《見どころ》

軽くネタバレになってしまうけど、この映画の最大の見どころはやっぱり全てのヒーローが集結して最後の闘いに挑むところ。王道中の王道な展開だけどやっぱり興奮した。

実はこの映画、バトルシーンはかなり少なめなんだよな。前作で人類が大敗して、それを取り戻すためのアレコレがメインでわりと地味な展開が多い。

その分溜めに溜めたラストバトルはホントにド派手。

何よりこれまでシリーズ通して多分使われてなかった決め台詞、

アベンジャーズ アッセンブル!」

をキャップが言うんだよ。珍しく映画館内で「オォっ!!」て声出してしまった。

そこのバトルに関しては全ヒーローが大活躍して見せ場も詰め込まれてるからやっぱりそこでも興奮。キャプテン・マーベルは強さの次元が違いすぎてもうwww

 

《社長とキャップ》

アイアンマンこと、社長トニー・スタークとキャプテン・アメリカこと、スティーブ・ロジャース。この2人をアベンジャーズの中心核として物語を追ってきたけど、この2人にもそれぞれ別の「エンド」が用意されてた。

社長については、やっぱり最後まで「責任」を全うした最後だった。前作でスパイダーマンを、というか子供を闘いに巻き込んで失ってしまったことを最後まで悔いていたところとか、すごい人間らしい描写が多くてあの最後。細かくは書かないけど、自分としては凄く納得いく最後だったかな。

 

そしてキャップの「エンド」。これが凄く素敵な終わり方だった。原作では暗殺されてたりする彼だけど、映画ならではのちょっと哀愁漂うハッピーエンド。色んな描かれ方(政治的な意味でも)されてきた彼にとって一番幸せな終わり方だったんじゃなかろーか。

この超大作映画のエンドロールが、キャプテン・アメリカの本来の時代、戦前のアメリカのオールドミュージックで静かに終わるのは製作陣の心意気だな、と思った。

 

MCUのこれから》

この映画で一先ず物語の区切りがついた。が、すぐに「スパイダーマン:ファー フロム ホーム」の公開が控えている。

ドクター・ストレンジブラックパンサーの続編も作られてるらしい。どこまでこの世界が広がっていくのか楽しみではあるけど、この手法でこのまんまでずっといけるのだろうか?2時間の映画としての枠が取り払われつつある今の映画業界で、どんな形で続いていくのか。それも含めて今後が気になるなぁ。