『キングスマン』
公開:2015年
監督:マシュー・ヴォーン
制作:イギリス・アメリカ合衆国
あらすじ
世界最強の諜報機関「キングスマン」。そのエージェント候補が味方を救うために犠牲になって17年。その息子ゲイリー・"エグジー"・アンウィンは、同じくエージェントのガラハットことハリー・ハートにスカウトされる。スパイになるための訓練を受ける中で、世界を脅かすテロの危機が迫る。果たしてキングスマンは世界を救うことができるのか!?
(我ながら書いててすっごくアホっぽいあらすじ)
『スパイ映画について』
10代後半から自分はスパイものにハマるようになった。きっかけはゲームのメタルギアソリッド。新作が出る度に休みを取ってやり倒した。
敵地に潜入する緊張感がたまらなくて、自然とスパイものの映画も見るようになった。
現代のスパイ映画シリーズで好きなものはわりと有名なのばっか。
『自分の好きな現行の三大スパイ映画』
まずはスパイ映画といえばこれ。007。
観たことあるのは、親父と観た初代ショーン・コネリーと、5代目ピアース・ブロスナンをちょっとずつと、6代目のダニエル・クレイグ。今の代のダニエル・クレイグは全部観てる。
次にミッション・インポッシブルシリーズ
これは最新作のファールアウト含めて全部観てる。このシリーズの影響でバイクの免許取った。中型だけど。
そして、ボーンシリーズ。
大げさかもしれんけど、ボーン・アイデンティティはアクション映画の在り方を変えた映画だと思う。どれもいつか書こうかと思うけど、この3つの中で一番好き。
この3つあたりは誰でも知ってる有名作品だけど、今のスパイ映画はシリアスでハードな物語展開が多い気がする。(そうさせたのはボーン・アイデンティティとダークナイトの影響だと思ってる。)
ミッション・インポッシブルはまだコミカルな場面あるけど、それも回を追うごとに話が重くなってきてる。
しかし、ハードボイルドだけが、スパイ映画の全てだったか?もっと色んな種類のスパイ映画があっても良いよね?っていうのが、この「キングスマン」だと思う。
『スパイものとしてのキングスマン』
この映画、正直言って色んな面でアホアホです。笑ってしまうようなおかしな要素だらけ。
防弾コウモリ傘に毒矢の仕込み靴、時計型麻酔銃、指輪型スタンガンとか現代において見るとアホかって思うスパイグッズ。
同じジャンルでもどちらかっつーとスパイキッズとかジョニー・イングリッシュとかに近いノリかも知れん。
ところどころでスパイ映画のパロディもたくさん。ジェームズ・ボンドのお約束のマティーニのくだりとか。
スパイ訓練の際に、生活を共にする犬に『JB』って名前をつけるんだけど、上司に由来を聞かれた時の、
「JB?由来はジェームズ・ボンド?」
「ノー」
「ならジェイソン・ボーン?」
「ノー」
「ならなにかね?」
「ジャックバウワーです」
ってやりとりが最高にくだらなくて好き。
『キャストの無駄な(笑)豪華っぷり』
なんと言ってもコリン・ファースね。
アカデミー賞で主演男優賞獲った俳優がこーゆー(下品な)映画に出て、しかもむちゃくちゃ激しいアクションするとは思わんかった。それでもやっぱりステキな英国紳士だったけども。
他にも名優マイケル・ケイン(ダークナイトでバットマンの執事をやってたあのおじいちゃん)とか敵役にサミュエル・L・ジャクソンとか。なんか第1作目なのに結構知ってる人多くてビックリ。
あと、恥ずかしながら『最後のジェダイ』観た時に気づいたんだけど、ぶっちゃけちょい役の博士をマーク・ハミル(言わずと知れたルーク・スカイウォーカー)が演じて、しかもあっさり殺されたり...なんか無駄遣いじゃねぇか?って思うくらいキャストが良い。
俳優さん達もかえってこーゆーの面白がって出てくれるんかなぁ?
『話の本筋』
すっごいまじめにこの映画の中身を考えると、イギリスのお国柄あっての話作りはちゃんと成されてる。
キングスマンという架空のスパイ組織のメンバーのコードネームはランスロット・ガラハットなど、円卓の騎士の名を使ってる。そしてメンバーは全員上流階級。つまりは貴族。
その中に恐らくは労働者階級の家庭で育ったエグジーが候補生として入る。これは「マナーが人を作る」ってセリフに現れている。生まれは関係なく、努力し、学ぶことで人は変われるんだっていうわかりやすいテーマである。
階級社会が根強いイギリスの人達には感じるところがあるんじゃなかろーか。
とか書いてみたものの、もう限界。この映画そんなん考えながら観るような映画じゃねーもん。むしろそーゆーの馬鹿にしたろ!くらいのスタンスだものww
『なんでこんなにヒットしたのか』
この映画が大ヒットしたのは、真面目な映画に飽きた人が多かったからなのでは?と思う。00年代からしばらくハリウッド映画はシリアス路線にいきがちだった。9.11の影響なのは言うまでもないけど、アメリカ人も疲れるわ。
この映画、の監督マシュー・ヴォーンはあの『キック・アス』を撮った監督である。この時点で想像ついたけど、やっぱり本作も相当にお下品である。
この映画も当時11歳の少女に人をバンバン殺させてたことが物議を巻き起こしてたな。
本作『キングスマン』でも相当な虐殺シーンがあるんだけど、ここだけはそーゆーの嫌いな人にはちょっとついて行きにくいかも。
「威風堂々」の楽曲に合わせてポップにオシャレにひとが死にまくるシーンなんだけど...色々倫理的なことは置いとくとして、こんなシーン、この監督じゃないと作れないと思う。
ある種、ここまで不謹慎に振り切ってる映画がヒットしたのも色んなもんへの反動なのかなーとか思ってしまう。映画は立派な芸術であると同時に誰もが楽しめる娯楽なんだしね。
けど、よくよく考えてみたら、007もガキの頃観たやつは大概とんでもない兵器積んだボンドカーとか、変なガジェットが出てきて、わりとメチャクチャやってたイメージだった。下品さは別としてもしかしたら昔のスパイ映画のノリに戻っただけなのかもしれない。
映画を観た後で、深く考えさせられる事がない、考察して作品のメッセージを読み解く必要もない、そーゆーこと何も考えずに映画観たい時には楽しい映画だと思う。
ちなみに勿論R指定のある作品なんで子供は見ちゃダメ!というか子供と観てたら気まずい。
2作目は下ネタの度が過ぎてたんで俺も軽く引いたwww
追記:観た映画片っ端から書いていこうとしたら全く追いつかないことに今更気づいたんで好きなペースで書くことにした。カウントしてないけど、結構いっぱい観てるもんだ。