映画の感想などなど

自分が観た映画の思ったまんまの感想。

アメコミの実写映画について②

今のアメコミ実写映画にはMCUのような、大きなユニバース化の潮流がある。このMCUをメインに色々考えた事を書いてみる。


MCUとは、「マーベル・シネマティック・ユニバース」のことで、いわゆるアベンジャーズをはじめとしたマーベルヒーローの実写映画の一群を指す言葉である。要はマーベルコミック版のスパロボみたいなもん。

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スパイダーマンとかハルクとかアイアンマンとか、アメコミに興味ない日本人でも名前くらい知ってるアメコミヒーローの実写映画を1つの共通世界にまとめて、巨大な映画の神話を作り上げようって感じの作品群を指す。

マーベル・スタジオで制作される映画は殆どがこのMCUに含まれることになる。

X-MENは映画の制作会社が違うためこの作品群には含まれない。
20作以上作られてて一応殆ど見た。
アメコミヒーロー大好きっス。

 

『シリーズ構成について』
MCUの映画シリーズには、現在4つのフェィズでシリーズ構成されている。


順番に...


フェィズ1『ヒーローの登場と集結』
主な映画:「アイアンマン」「マイティ・ソー」「インクレディブル・ハルク」「キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー」など。
まずはシリーズを代表するヒーロー達初登場の単独映画が公開。ヒーロー達のキャラクター性を紹介する始まりのフェィズ。

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このフェィズは人類共通の敵に立ち向かうためにヒーロー達が集結してチームを作る「アベンジャーズ」(2013)でひと段落を迎える。

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例の「日本よ、これが映画だ!」のアレね。

 


フェィズ2『ヒーローの掘り下げと増員』
主な映画:「アイアンマン3」「マイティ・ソー/ダークワールド」「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」
各ヒーロー単独映画の続編が次々に公開され、それぞれの登場人物に個性と深みが与えられる。

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アベンジャーズ/エイジオブウルトロン」(2015)でのアベンジャーズが再集結。
その他にも次のフェィズに備えた新ヒーローの映画も公開。「ガーディアンオブギャラクシー」「アントマン」など。

 


フェィズ3『ヒーローの決別と拡散』
主な映画:「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」「ドクター・ストレンジ」「スパイダーマン:ホームカミング」など。
もっとも公開された映画の数が多い現在のフェィズ。そしてこれまでの総決算になるフェィズ。

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シビル・ウォーによる、ヒーロー同士の対立からアベンジャーズが解散。

その間にも多くの新顔が参加。

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大人の事情で参加出来なかったスパイダーマンも遂に参戦。ブラックパンサードクター・ストレンジなどの人気キャラも登場して1番賑わったフェイズな気がする。
その後、再び地球全体の危機のために再集結し、(インフィニティ・ウォー)来年公開の「アベンジャーズ/エンドゲーム」で全てに決着がつく予定。

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これがシリーズ全体の大きな流れで、もう既に次のフェィズ4の作品公開も控えている状態。

 

MCUの上手いところは全ての映画を共通世界にしてるのに作風は一致させてないところ。原作からしてそうだから当然っちゃ当然なんだけど。
ファンタジーな物語が良いなら「ドクター・ストレンジ」、笑えるコメディが良いなら「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」(これ大好き)、青春物語なら「スパイダーマン」みたいな感じで色んな人の好みに合わせた映画を観ることができる。


それを上手いこと繋げていって、「アベンジャーズ」の冠がついた映画で全員勢ぞろい。大きなイベントだから当然話題になるし、ニューヒーローに興味を持ってもらうきっかけにもなる。

 

他の『ユニバース』
しかし、このユニバース化っていう映画の発明、色々なところが真似してるけど、アベンジャーズほど成功してるのはなかなかないんだよなぁ。


もう一つのアメコミ大手のDCコミックの「DCエクステンデッドユニバース」は、MCUとは逆に、先に「ジャスティス・リーグ」でヒーローチームを組んでから、その後でそれぞれの単独映画を出す手法を取ってる。

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自分もバットマン大好きだし、楽しみにしてる......だけど...
如何せんマーベルヒーローに比べてマイナーなヒーローが多くて、日本でどのくらい人気が出るか心配なんだよなぁ。
...ワンダーウーマンはヒットしたけど、シャザムとか知ってる人どの位いるのか...

 

 

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トム・クルーズの「ザ・マミー」から始まる予定だった「ダーク・ユニバース」は興行収入でコケてストップ。

 

 

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今度ゴジラの新作もある「モンスター・ユニバース」はまだあまり作品観てないんだけど、そもそも怪獣映画自体が万人ウケするか......頑張れゴジラ

 

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あとは「キングスマン」もユニバース化するとか聞いたけどどうなんだろ?単体で傑作だったからやらなくても良い気がするんだけどなぁ。

 


『ユニバース化に対する心配』
よく言われるんだけどこの今のトレンド(?)の映画のユニバース化。必ずしも良いことばっかじゃないんだよなぁ。


世界観を広げるために一つの映画で全てが完結することがなくなった。
映画のエンドロール後には次の伏線やキャラクターが映し出され、次の作品への期待を持たせるのが通例になっている。
こーなると映画にはホントの意味でのエンディングはなくなり、単体作品としてはどうしても薄味になる。
一つの映画としてどれだけ面白くても、最後に新しい敵や謎が出てきてモヤモヤして映画館を出る。
これって映画の作りとしてどーなんだろか?


MCUに関しては、来年の「アベンジャーズ:エンドゲーム」でフェイズ3までの大きな物語が終了するらしい。
キャプテン・アメリカやアイアンマン、ソーなどの俳優も契約満了で一区切りつくらしい。
が、もう次のフェイズ4の映画の撮影も終わって、さらに新作も作ろうとしてる。
果たしてどうやって決着つけるつもりなんだろーか?

 


アメコミ好きだから、面白い実写映画が作られるのは嬉しいけど、このまんまだと話を広げるだけ広げて、収集つかないまんま新しいヒーロー達が浪費されて行くような気がしてなんか不安なんだよなぁ。

 


X-MENシリーズは版権の問題でMCUには合流していない。
もう何作もシリーズが作られているけれど、長いこと主役を張ってきたウルヴァリンは、2017年の「ローガン」でキャラクターに明確な終止符が打たれた。

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どの映画とも繋がりを絶って、話の整合性とかよりローガンの人生に焦点を絞って、ちゃんとキャラクターにエンディングを迎えさせてあげた。
エンドロールで「Logan will return」の文章が出てこなかったからこそ、あれだけの名作になったんだと思う。
少なくとも自分はアメコミヒーローものの映画であんだけ涙流したのは初めてだった。


だからこそ、MCUもいつかはヒーロー達にエンディングを用意して欲しい。


そーゆー意味で「エンドゲーム」は何としても成功して欲しいなぁ。


文章...長くね?