映画の感想などなど

自分が観た映画の思ったまんまの感想。

自分が映画好きになった理由その3

つまんねぇ、文章下手、と思われるかもとか考えてみたんだけど、よく考えたら大して大勢に読まれるわけでもないから気にせず続けよう。

 

前回は、主にSF映画で、自分に影響与えた作品を書いたけど、今回は少し視点を変えて書く。

高校生の頃、SF映画ばっかり観てたかというとそうでもなくて、高校終わり頃から別のジャンルも徐々に観るようになった。

 

 

 

《日本映画を多く観るきっかけの映画》

 

『GO』

f:id:rotti-k:20200318180744j:image

監督:行定勲
主演:窪塚洋介
公開:2001年10月20日
製作国:日本

 

高校2〜3年生頃にこの映画を観た。公開した年の映画賞を多数受賞した有名作品だし、たまには邦画でも、って感じで何の気なしにレンタルで観た映画。

〜前置き〜

今になって考えると多感な時期に、そして日韓の関係が変化する前に観ることができて良かったなぁ、と思う。国際情勢的に今この映画を公開すると、少なくともメディアとかネット上で、無駄に騒ぎ立てられて先入観なしに本作を見れなかったのではなかろうか。

 

そのうちこの映画についても書いてみようかと思うから、当時の自分の感想を中心に言うと、まず、『爽やか!』。

事前情報一切なしで観たけど、日本映画ってどうもジメジメした作品が多いイメージで、しかも観始めると主人公がいわゆる在日コリアンってことがわかって...こりゃ暗い内容かなーと思って観てたんだけど、中身は全然違った。

「これは僕の恋愛に関する物語だ。」

という独白から始まって、ほぼほぼ窪塚洋介演じるクルパーの目線での物語。

人種差別に関する事柄や、それにまつわる非常に重い展開もあるんだけど、あくまで主人公の青春の物語を中心としている。そして宮藤官九郎の脚本も落語的展開が上手にはまってるし面白い。

 

この映画をきっかけに日本映画も良いもの沢山あるよな、ということでレンタル中心だけど邦画もよく観るようになった。

 

...『世界の中心で愛を叫ぶ』をカップルだらけの中で一人で観に行ったのは黒歴史とさせていただく。

 

 

《大学入学後の好みの変化》

一年浪人した後で大学に入学。それ以降またガラッと好みが変わる。音楽サークルに入って、生活の中心がバンド活動になってたんだけど、世の中の大多数の大学生と同じように(失礼)、ほんっっとに自堕落な生活をしていたと思う。

授業以外の時間はひたすらバンド→バイト→バンド→ゲーム→酒→バンド。みたいな生活。なんと幸せ。大学生の良いところはとにかく時間がいっぱいあること。映画を観る時間も十分。

 

大学時代に何度も見返した映画を思いつく限り挙げてみる。

 

アカルイミライ

f:id:rotti-k:20200331212024j:image

アカルイミライ/Bright Future』
監督:黒沢清
主演:オダギリジョー
公開:2003年1月18日
製作国:日本

 

物悲しい退廃的な雰囲気に、オダギリジョー浅野忠信の実質ダブル主演という時点で間違いない作品。

そして何より、当時聴きまくってて、コピーもしてたバンドの、THE BACK HORNによる主題歌『未来』があまりにも素敵すぎた。この映画の最大の見所はエンディングでこの曲が流れ出すところだと思ってるww

この映画にあてられて(?)大学時代は、それまでのアクションやSF映画よりもこういった人間ドラマ中心の邦画ばかり観るようになる。

 

きょうのできごと

f:id:rotti-k:20200331214951j:image

きょうのできごと/a day on the planet』
監督:行定勲
出演者:田中麗奈妻夫木聡
公開:2004年3月20日
製作国:日本

 

先述の『GO』で一躍有名になった行定勲監督の作品。妻夫木聡はじめ当時の若手実力派俳優が多く出演しており、群像劇の様な形。これ、いつかきちんと見返して感想書きたいんだけど、本当に大学時代何度も何度も観た。内容は、タイトル通りのある大学生たちの何気ない1日の出来事を描いた作品。

バイト帰りに酒飲みながら観るのが最高に良い。ほんっっとに内容は何でもないもんなんだけど、「うまく言われへんけど...」って言うセリフが全て表してる。

なんでもない1日がなによりも得難いものだということ。

...そして田中麗奈が最も可愛い頃の映画。

 

『ゆれる』

f:id:rotti-k:20200331220408j:image

『ゆれる/SWAY』
監督:西川美和
出演者:オダギリジョー香川照之
公開:2006年7月8日
製作国:日本

 

こういったなんとも言えない後味の映画も観るようになった。この後も色んな映画で独特な存在感を出してる香川照之だけど、この人のこの映画での演技は別格で良いんだよね。オダギリジョーもそうだけど、映画って内容だけでなく俳優の演技とか色々な視点で楽しめるんだな、と知ったのもこの時期。

 

 

ジョゼと虎と魚たち

f:id:rotti-k:20200331221204j:image

ジョゼと虎と魚たち
監督:犬童一心
出演者:妻夫木聡池脇千鶴
公開:2003年12月13日
製作国:日本

 

ここまでタイトルをつらつらと書き連ねて気付いたけど、観てる映画が典型的な大学生好みだなwwこれも当時何回も観たな。この作品とか『きょうのできごと』とかは、胸に響く年齢がわりと限られてるんだろうとは思うけど、00年代にこういった映画の名作が沢山作られていたことは大学生の自分にとっては幸せだったんだろう。

勿論、主題歌『ハイウェイ』も当時の自分にはドンピシャでくるりも聴きまくった。

...池脇千鶴いいよね。

 

 

《ちょっと番外編》

若干年代が変わるけど、大学時代のこの邦画の流れの締め(?)として挙げる映画。

 

ソラニン

f:id:rotti-k:20200331222557j:image

ソラニン
監督:三木孝浩
原作:浅野いにお
出演者:宮崎あおい高良健吾
公開:2010年4月3日
製作国:日本

 

この映画、自分の人生と不思議なリンクをした作品ですごく印象に残ってる。

一応軽く説明しておくと、『おやすみプンプン』で有名な浅野いにお原作の漫画を実写化したものである。

f:id:rotti-k:20200331223125j:image

↑原作漫画の表紙

この漫画、同年代で大学時代に音楽サークルに入ってた人の6〜7割は読んでるんじゃないだろーか?

主人公はOL2年目の芽衣子、現在と大学時代を交互に描いていく。同棲している種田はバイトをしつつもバンドへの未練を断ち切れず宙ぶらりんな生活を送っている。わずか二巻の漫画だけど、多くの人の共感を呼んだ...であろう作品。

 

自分もこれを大学生のサークルを引退する頃に読んで、漠然とサークル仲間も自分もこんな感じで大人になってくのかな?とか思ってた。

で、資格を取るために一年大学に長く残って、採用試験に無事落ちて、さてフリーターか...という春の時期に、この映画が実写公開された。

自分のバンド仲間はちょうど社会人2年目に入る頃で、中にはもうその1年間で仕事を辞めたヤツも居る。そんな中で何一つ将来が決まらない中途半端な時期の自分にとって、本作はなんだか全然人ごとに思えなかった。

まぁ、種田と違って彼女と同棲もあんな結末にもなってやしないんだけどもww

f:id:rotti-k:20200331225333j:image

で、映画版の方は、出来そのものはそんなに他とは別格な良さがあった訳じゃない。原作との雰囲気の違いとか、漫画の実写化によくある文句も出てたし。

f:id:rotti-k:20200331225712j:image

↑何より芽衣子にしちゃ宮崎あおいは綺麗過ぎるww

 

ただ、ライブシーンは良かったと思う。途中から種田のギターが入ってるところとか映画ならではの表現もあったし。アジカンの曲もイメージ通りだったし。

何組のサークルのバンドがこの曲コピーしたんだろ?ww

 

 

 

 

というわけで、この大学時代、他の多くの人と同じくモラトリアムで自由な時間を過ごして映画の好みを別方向に広げることになった。今回挙げた映画は、年齢や時期によっては全く興味を惹かれない映画かも知れない。なので、他の人とは全く違う感想を持ったり、今観ると違う印象に映るかも。

その分限られた時期に出会えた映画というものはその人の人生になんらかの形で残っていくものだと思う。