007 スカイフォール
「007 スカイフォール」
原題:skyfall
監督:サム・メンデス
主演:ダニエル・クレイグ
公開:2012年
製作:イギリス・アメリカ合衆国
《スパイ映画》
この映画を語るにゃあまりに知識がない。シリーズファンに叱られる内容になるかも。
自分の年代だとジェームズ・ボンドと言えばこの人のイメージ
ピアース・ブロスナンのボンドがイメージが強かった。多分、当時子供だった自分たちにはニンテンドー64の「ゴールデンアイ」が好きって人が多かったから、ゲームから知った人もいると思う。
この人のゴージャスな感じ、色男っぷり、英国紳士な感じ。このイメージが強かった。
で、現在のボンド役、ダニエル・クレイグ。最初に決定した時は結構批判的な人が多かった。自分も正直違和感あった。
批判としては身長とか、歴代初の金髪だとか。そー言ったところ。
ただ個人的に違和感あったのが佇まいが全然先代と違ったってところ。
色男というよりは哀愁漂う顔立ちだし、あんまりゴージャス感がない!てのが気になるとこだった。
だった。
今では世間的にも認められてるし自分も一番好きなボンドになった。
《ダニエル・クレイグ版ボンド》
ハードボイルド!この一言に尽きる!
先代に比べて野生的で、観てるうちにこれこそスパイ映画じゃん!と思わせられる。
これまで4作公開され、来年公開予定の5作目で彼は引退するらしい。
一作目「カジノロワイアル」で、新しいボンド像を見事に作り上げ、自分はDVD買ってしまう位にはハマった。
(個人的にはカジノロワイアルはマッツ・ミケルセンが強烈すぎてボンドが霞んでしまってたけどww)
《シリーズの新と旧》
そもそもシリーズとしてはダニエル・クレイグ版007はかなり特殊。お約束をあえて破ったり、逆に古い作品のオマージュを入れたり、長く続いてるシリーズを変えようとする意欲に満ちたシリーズになってる。
お約束の映画冒頭のガンバレル・シークエンスを出すタイミングを変えたりシリーズで初めてストーリーを繋げた続編(慰めの報酬)を作ったり、新しいことにチャレンジして上手いこと料理しきってる。
かと思えば、原作のセリフ通りにボンドカクテルを作らせて、物語の要所で出したり、昔の映画の要素を引っ張り出したり。
そもそもがマンネリとの戦いのこのシリーズ。
新規の人も古参の人も取り込む、ってすっごい難しいことやと思うけどよく出来てるわ。
ちなみに次回作のスペクターではかなり原点回帰してる。どちらも面白かった。
どのボンドも共通してるのは...出会った女性とすーぐ寝ることやなww
《スカイフォールの立ち位置》
結果的に全5作になるけど、クレイグ版ボンドは3作目「スカイフォール」は、かなりのお気に入り。多分当時は3部作構成だったんだろうと思う。
007の物語的にもスケール的にも集大成。内容こんだけ盛りだくさんでよくまとめられたな、と思う。
007の失脚と復活、mi6の存亡、ボスのMの物語上の決着、旧mi6メンバーとの対決、新世代の活躍、次回作への勢いづけ、そして殆ど今まで触れられなかったボンドの過去。
2時間半にどんだけ詰め込んでんの?ww
個人的には名女優ジュディ・デンチさんが(スペクターでカメオ出演してた気がするけど...)もう「M」を演じること無いのかと思うと寂しい気持ち。だから尚更集大成感が強い。
《作風について》
前作「慰めの報酬」は、自分のイメージだと007版のボーン・アイデンティティだという認識。一番リアル志向に寄ってて、トンデモ兵器も一切出てこず終始現実的(?)でシリアスな展開。好きだだだけど評判はそんなに良くないらしい...。
一方、今作「スカイフォール」は、地に足をつけた物語展開はそのまんまで、要所要所に007らしさが垣間見れる。
指紋認証のついたワルサーPPKだとか、往年のギミック付きのアストンマーチン。
今作でダニエル・クレイグ版ボンドが完成したって言ってもいいのかも。やっぱこーゆーのあってこその007だよなぁ。
《決着の場所 スカイフォール》
改めて見返してみると、この映画、映像が凝っててすごく美しい。終盤、ボンドの生家のある集落「スカイフォール」に行くんだけど、これがすごく景色が良い。スコットランドの寒々しさ、薄暗さが綺麗に表現されてる。物語の展開にも合ってるし、よく考えて撮られてると思う。
途中の無人島も当初の予定通り長崎の軍艦島で撮影してくれてたらな〜。
《スパイ映画大好きです》
007は相当長い歴史を持つ映画シリーズだけど、未だに面白い。この「スカイフォール」で満足したけど、次の「スペクター」も原点回帰した上でさらに面白いもんを見せてもらった。
そしてダニエル・クレイグ版ボンドの最終作が来年公開予定。ミッション・インポッシブルの新作も2021・2022年に連続公開予定。スパイ映画まだまだ観たいもんだらけで楽しみ。